【検証】トレーディングカードの“レア”を引ける奴は誰だ!? 「第一回チキチキ秋葉原“引き強”選手権」

1枠1番「チア占い」!　アキバアイドル界の予言者

最初にエントリーしたのは、秋葉原を主戦場に活動するアイドルグループ「パストリープス」。公式プロフィールによると、彼女たちが生まれたのは未来。そう、過去を変えるために現代にやってきたグループなのだ。ちょうど秋葉原でライブがあるというので、カードパックを片手に直撃した。

▲メンバーの舞園月奏さん（写真左）、美風愛蘭さん（中央）、蒼羽奏音さん（右）。

メンバーの美風さんはチアリーダーとしてのキャリアがあり、特技はそれを活かした「チア占い」。相手にエールを送りながら幸福な未来を導くという占いだ。そんな彼女たちなら、どのパックに幸運のカードが入っているかわかるはずである。「ああ、Lyceeですね。未来では大人気になっているTCGです。このパックの中に何が入っているかも私たちには見えています」と美風さん。記者は内心、「記事構成を理解してくれていて、本当に有り難う」と思った。では早速、「チア占い」を披露してもらおう。
美風「私の顔をよくみてください」
記者「はい……」
美風「……受信中です」
記者「……何をですか……？」
美風「（無視）……はい、見えました！ ゴーゴーレツゴー♪ゴーゴーレツゴー♪　スマホの画面がバッキバキ！　はい、これです！」
記者「……（これは一体なんなんだ）!!」

▲寒いので楽屋に移動した3人。

占いによって導かれたパックは5つ。メンバーみんなで開封する。しかし……恐れていたことが起こる。一枚もSRが出てこないのだ。そんなわけがない。彼女たちは未来から来たアイドル。つまり現在で起こることはすべてお見通しなはずなのだ。
舞園「……すべて想定内です（真顔）」
記者「……ファッ!?　だ、だって、幸運の占いまでしたのに……」
蒼羽「幸運のチア占いは、私たちの幸運を占うものではありません。自分たちだけがSRカードを引いて、それで終わっていいのでしょうか」
美風「そう。中身がすべてわかっている私たちは、ある意味、今回のルールにおいて反則な存在なのです」
記者「って、ことはわざとSRじゃないパックだけを開けたということ……!?　他の人のためにわざと不運なパックだけを選んだ……あんたたちは真のアイドルだよ!!」
本当に素晴らしい志を持ったパストリープスの皆さん。残念ながらSRは引き当てることはできなかったが、今後の活動には順風が吹いていることだろう。

2枠2番「無駄ヅモなき引きの達人」！　アキハバラ麻雀界戦慄の最強遺伝子

「ククク……。待ってたゼ。1UP……」といきなり卓上でキメてきたのは秋葉原の人気雀荘「麻雀ウェルカムAKIBA」の後藤店長。この日取材班は前の予定が伸びてしまい、30分遅れでの現場入りになったが、30分間このポーズで待っていたらしい。

後藤店長は、一見イケメン風だが、店一番の厨二雀士としても名高い。粘着質な性格で、お客さん、スタッフに過剰に絡んで来ることから「疫病神」とスタッフ間でも揶揄されている。「麻雀界の先輩としてスタッフをリードしていきたいですね」と店長らしき一言を話している姿が痛々しい。
記者が撮影の準備をしていると、「この前は、一日で役満を10回あがったんですよ！　ヒャッハー!!」と話しかけてきた。しかし、これは明らかに嘘。10回もあがったならギネスブックに乗ってもおかしくないほどの偉業で、現実ではまずありえない。記事で盛り上げて欲しいという野心マンマンのイヤらしい男である。

後藤「見ろ1UP。……俺の強運、幸運、豪運、僥倖、ミラクルゥゥ！　配牌でこの形ができていた!!」
記者「……何と！信じられない…!!　牌を配られた時点で伝説の役満・国士無双の13面待ちとは……！」
後藤「仏の御加護、神仏の念波、我が身に降臨す……！　わしは勝つ…っっ!!」
記者「……なるほど。卓上に置いてある牌をめくり、国士無双が完成する牌だったら幸運。つまりレアカードが入っているということですね。ではお願いします」
後藤「（ズバンッ!）ツモォッ！　（ズバンッ！）コイツもツモだァァ！　（ズバンッ！）今日はツイているぜぇ……こいつもツモォォォ！」
記者「すいません、静かに選んでいただけませんか」

後藤「この光っているやつがレアだな……!?」
記者「おおお！　これはSR！　おめでとうございます。さすがの引きの強さだ!!」
ということで後藤店長は5パック開封し、SRカード2枚、Rカード3枚を引き当てた。なかなかの結果だ。

▲もっと引けると思っていたのがやや不服な様子。

3枠3番「豆“挽き”の達人」！　バリスタ界の貴公士

24時間ただひたすらに豆を挽き続けていると噂される人気カフェ・ヴォルトコーヒーの坂本マスター。豆を挽けるのだったら、レアカードも引けるだろうという安直な考えで恐る恐る相談を持ちかけてみた。すると無言で挽いた豆を抽出し始め、「ここにパックを並べたまえ……」と小声で命令してきた。

坂本「……これだ」
記者「そ、そんな。もう分かったんですか!?　まだコーヒーを飲んだだけじゃないですか！」
坂本「コク、苦味、酸味、香味……　見ただけですべて分かる。カードのレア度も同じことさ。このパックからは、チョコレートの様で、バニラの様でもある、それでいてチェリーの様な、逆に赤ワインとも言える香りがするんだ」
記者「なるほど、分からん」
坂本「まあ、開封するといい。すぐに分かるさ」
記者「また僕がやるんすか」
言われるがままパックを開封すると、SRカード2枚、Rカード3枚という結果となった。雀荘の後藤店長とまったく同じ結果だったが、“こんな引きを持っているのは僕ぐらいさっ（ｷﾘｯ）”という顔をしていたので言うのは止めた。